私が勉強を始めて間もない頃、行政法で興味を引いたのが
<国家賠償法>
でした。
第1条(公権力の行使)
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故
意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、こ
れを賠償する責に任ずる。
公務員の行為が「その職務を行うについて」に該当するものでなければ、国家賠償の
対象とはなりません。公務員が行ったことはすべて「職務」になるのか?
その区分の基準は
<外形主義>
というものです。
その公務員がどう思っていたのかは関係はなく、行為を客観的にみて、<職務の外形>
を備えているかで判断します。
これが外形主義です。
有名な判例が、川崎駅前非番警官事件。
非番の日の警察官が、制服を着て同僚の拳銃を使い、川崎駅前で職務質問の形で市民に
近寄り強盗殺人を犯した。
国賠を問えるか?
「問えないわけないだろ!」
思わず突っ込みたくなりました。
国として、というか警察としては問うて欲しくはないところなのでしょうが。
制服着てても、非番なら警察は関係ないよ、と言うことが争点だったようですが・・・
少々脱線しましたが、この判例に限らず、一般人の感覚で判例を読んでいけば大抵納得
できる判例が多いです。
第2条(営造物責任)
道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害
を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。
第2条は第1条と違って、営造物の所有者・管理者に故意や過失が無くても賠償義務を
負わなくてはいけません。 いわゆる
<無過失責任>
です。
この営造物責任は、民法の工作物責任をベースにした民法の特別法として定められてい
ます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
国家賠償法は、行政書士試験ではほぼ確実に1問出題されると思います。
決め手は判例の読み込みです。一通り目を通しておいて下さいね。
参考:判例データベース