行政不服審査法

行政不服審査法による不服申し立ては、行政庁の処分や不作為に対してすることができ、

 

異議申し立て

 

審査請求

 

再審査請求

 

があります。

 

この時、行政不服申立てをしてもいいし、最初から行政事件訴訟法に基づく訴訟を提起して

 

もよいとされています。 これを自由選択主義といいます。

 

行政不服審査法で押さえておきたいポイントは、

 

審査請求中心主義

 

です。

 

行政不服審査法では、不服申し立てはなるべく審査請求によるべきであると考えています。

 

なるべく処分庁以外が判断したほうが公正な結果がえられるだろうという考え方です。

 

ですが、不作為に関しては審査請求中心主義はとられていません。

 

また、異議申し立てが出来る場合は限られていて、処分庁に上級庁が無い場合や、処分庁が

 

主任の大臣や外局の長などである場合です。

 

これらを頭に刻み込んだ上でのポイントは、

 

申し立て期間

 

です。

 

<行政不服審査法第14条>

 

~審査請求は、処分があつたことを知つた日の翌日から起算して60日以内(当該処分につい

 

て異議申立てをしたときは、当該異議申立てについての決定があつたことを知つた日の翌日

 

から起算して30日以内)に、しなければならない~

 

簡単に言うと、

 

審査請求:原則60日。異議申し立て前置の場合、その決定から30日。

 

異議申し立て:60日。

 

が申し立て期間になります。

 

ここで重要なのは、起算日は処分があった日の翌日>ということ。

 

処分があった日の翌日から起算、を、処分があった日から起算、として出題。

 

行政書士試験のよくあるひっかけ問題のひとつです。

 

ここは確実に覚えて下さい。

 

また、処分があった日の翌日から起算して、1年を経過したときには申し立てをすることは

 

出来ません。

 

ただし、異議申立てをしてから3か月経過しても異議決定がない場合にする審査請求につい

 

ては、請求期間の制限は付されていないので、異議決定があるまでいつでもすることができ

 

ます。

 

ややこしいですが、確実に得点できるポイントですので、頑張って覚えましょう。

 

それから、異議申し立て・審査請求に対する行政庁の判断の呼び方の違いもしっかり確認し

 

て下さい。

 

異議申し立て→決定 

 

審査請求→裁決

 

となります。

 

決定・裁決の種類には、

 

却下棄却認容

 

の3種類あります。

 

却下→門前払い

 

棄却→検討の上、お断り

 

認容→検討の上、認めます

 

ざっくりこんな感じです。

 

そして認容の場合、その対象が処分についてのものか、事実行為についてのものか、不作為

 

についてのものかに応じて規定が設けられています。

 

その内容は審査請求・異議申し立て共にほぼ同様なのですが、不作為については異なった扱

 

いがなされています。

 

<行政不服審査法第51条3項>

 

~不作為についての審査請求が理由があるときは、審査庁は、当該不作為庁に対しすみやか

 

に申請に対するなんらかの行為をすべきことを命ずるとともに、裁決で、その旨を宣言す

 

る~

 

<行政不服審査法第50条2項>

 

~不作為庁は、不作為についての異議申立てがあつた日の翌日から起算して二十日以内に、

 

申請に対するなんらかの行為をするか、又は書面で不作為の理由を示さなければならない~

 

異議申し立ての認容の場合は20日以内と期限が設けられています

 

ここも、行政書士試験では引っ掛け問題として出てくることがあるので注意して下さい。